先日、グランドフォールの事故で亡くなったTito 君の追悼ビデオが、友人たちによって作成され、紹介されていました。
For Tito, forever in our hearts. from Mountain View on Vimeo.
そこで映し出された彼は、去年、スペインのマルガレフで一緒に登っていたあの子でした。
事故の一報が出た時の写真は、少し前の写真だったようで、似ているな、と思いながらも、「別人だろう。」と思いたかったのもあって、知らない子だと思っていました。
だけど、動画の中で登っている子は、間違いなくその子でした。
お父さんと登りに来ていた彼は、陽気なお父さんとは対照的に、とても物静かで、落ち着いた印象の子供でした。
宿も一緒だったのですが、賑やかなイタリア人の大人に交じって、一人で静かにハリーポッターの本を読んでいたのを覚えています。本当に、登っている時以外は普通の子供でした。
不運な事故で犠牲になるのは、大人であれ、子供であれ、誰であっても家族がいて、その人を愛する人がいて、その人の死を悲しむ人がいるのは同じです。
また、クライミングというスポーツも、大人であれ、子供であれ、全ての人に同じ楽しみを与えると同時に、同じだけのリスクを与えるもの事実です。
しかし、12歳という幼い子供がその失敗の責任を負うには、あまりにも残酷だと思いました。
クライミングが身近なスポーツになって、クライマーが親として子供にクライミングをさせる機会も増えるでしょう。低年齢化も益々進むでしょう。それは、クライミング界にとって、いい面もあるかもしれません。
しかし、それに伴って、大人だけが背負いきれないリスクを、子供に負わせることになるのだということを、大人は考えなければなりません。
Tito君の冥福を祈ると共に、家族の悲しみが1日でも早く和らぎますよう、心よりお祈りします。
R.I.P., Tito. Our thoughts are with your family.
コメントする