突然ですが、パイン・ビートルって知ってますか?
日本では「松食い虫」とか、言われていますが、松の木について、枯らしてしまうヤツです。
カナダでも問題になっていて、隣のBC州からアルバータ州にも来て、この辺の山も
どんどん枯れて赤くなってきてます。(写真では紫に見えるけど)
その研究をしている人たちに、先日のオープンハウスの時話を聞いたので、
自分のための備忘録としてまとめておきます。
こいつがパイン・ビートル(メス)。2mmくらい。
メスはホルモンを出して、オスをたくさん呼び寄せるから厄介。
キモイですが、顕微鏡でみたらこんな感じ。
見えないけど、木に入れるくらいだから、強いアゴとキバを持ってます。
こいつらが、松の木に入り込むと、木の幹はこんな感じにたくさん穴が開きます。
結構目で見えるんだなー。意外でした。
木の皮の下に卵を産み付けて、子供たちが孵化して歩き回ると、こんな感じ。
見た目的には結構アーティスティック。
で、問題なのが、こいつらが運んでくる「Blue Stain Fungi」。直訳すると、「青シミ菌」。
この菌は、木の内部までどんどん入り込んでいくので、木の幹はこんな感じになる。
この菌が、木の水分を通す道を塞いでしまい、水分補給ができなくなった木は
どんどん枯れていく。
普通、健康な木は樹液を出して外敵から身を守ろうとするけど、
枯れて弱っていくとそれが出来なくなり、さらにパインビートルが侵入する、という悪循環が生じる。
そして、ブルー・ステイン菌が付いた木材は、強度的には問題なくても、
見た目的には売り物にはならなくなってしまう。
結果、林業がさかんなカナダでは、木材として使えなくなり、大きな問題となっている。
パイン・ビートルは、寒さに弱いので、-40℃以下の日が数日続けば死んでしまうのだけど、
近年は(温暖化で?)そんな日が続かないので、増え続ける一方だとか。
というわけで、かなり厄介者なのですが、有効な解決策は今のところ見つかってません。
これも、自然にとって必要な撹乱なんですかねー?
コメントする