少し前の記事にも書きましたが、この4月から、パークス・カナダ(カナダ国立公園管理局)で、
シティズン・サイエンティストとしてお手伝いすることになりました。
さて、「国立公園」、と聞いて何をイメージできますか?
たいていの日本人は、日本の国立公園について、何もピンと来ないかもしれません。
日本の国立公園は環境省が管理していますが、机上の書面管理が主で、現場管理の専門スタッフはほとんどいません。いたとしても、なかなか思うような現場管理ができていないのが実情ではないでしょうか?
カナダでは、パークス・カナダ(国立公園管理局)が管理・運営しているのですが、レンジャー(ワーデン)が現場の安全管理をし、研究者が科学的知見に基づいた自然管理をし、事務員が書類管理をし、、、と、さまざまな役割の人がそれぞれの専門性に応じた役割を果たしながら、国立公園という国の財産を自然に近い形で管理し(←ここが重要)、またそれを国民に還元しています。
私がやることになった、「シティズン・サイエンティスト」とは、バンフ国立公園の研究者のお手伝いをするボランティアです。
公園内に生えている外来種を抜いたり、動物のフンや足跡を見て行動範囲をチェックしたり、山火事後の木のヘルスチェックをしたり、、、と仕事はさまざま。
さてさて。前置きが長くなりましたが、先日は、そのオリエンテーションに参加してきました。
午前中は座学。参加者は10名ほど。
生態学についての基礎を学びました。
話を聞くだけでなく、こちらからも発言して参加しなければなりませんでした。
例えば、用語の説明。生態学(エコロジー)に関する言葉を1人2つずつ与えられて、それを自分の言葉で説明します。
撹乱(disturbance)、レジリアンス(resiliance)、順応的管理(adaptive management)、キーストーン種(keystone spieces)、野生動物コリドー(wildlife corridor)、、、、
みなさん、わかりますか?聞いたことがありますか?
私は、夫の仕事上、よく解説してくれるのでだいたい知ってるけど、正しい意味を説明することはできません。
しかし、この日参加していたシティズン・サイエンティストの方たちはスラスラと的確に説明してました。しかも英語で。(←これは当たり前か)
ちなみに、私のお題は、エコシステム(ecosystem)とコメモラティブ・インテグリティ(comemorative integryty)。エコシステムはなんとかクリアしたけど、コメモラティブ・インテグリティは周りに助けてもらいました。。。(汗)
しかし、周りの基礎知識の高さに感心しっぱなし。。。
こういうのに参加する人だから元々このトピックに興味があるのだろうけど、
ボウバレー(キャンモア&バンフ地区)に住む人たちは、自然やエコロジーに関する知識が平均よりかなり高い気がします。
午後からは、外へ。
ワイルドライフ・ラボへ連れて行ってもらいました。
ここは、研究のために捕獲された動物を冷凍、解体するところです。
凍ったレッド・フォックスとウルフ(写真左)と、色んな動物の足(写真右)。
グリズリーパウはこちら(下)。
私の顔くらいの大きさ。
こんな手で叩かれたら、首が飛びますな。。。
その後は、レンジャーのギア倉庫を見学。1人1人にデカイクローゼットが与えられた上で、共同装備が外に並んでました。
ここはクライミングショップか!と言いたくなるほど、ギアが充実。(写真左)
ロープとハーネスもたくさん。(写真右)
ヘリで救助できないとき等に使うボート。(写真左)
山スキーもきれいに並んでました。(写真右)
最後に認定式。
バッチとユニフォームをもらって修了。
何度も何度も、「あなたたちは、もう立派なパークスの一員です。誇りを持って仕事をするように。」と言われ、嬉しい気持ちと、久しぶりにピリっと身の引き締まる緊張感を味わいました。
作業が多いのは夏ですが、それまでに参加したトレーニングの様子など、またここで紹介できたら、と思ってます。
" You should be proud of being a member of Parks Canada!!! "
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