7月10日(土)、くもり→雨 / 午前中:ヒグマ講習、午後:400m 調査地設定
調査初日は、知床財団による「ヒグマ講習」を受けました。
まずは、1時間座学講習。
・クマは捕食者タイプではないので、進んで人間に近づいたりしない。
・出会わないように、笛をふく、手を叩く、鈴を鳴らす、、、など、常に自分の存在を知らせること。
・出会っても、逃げない。ゆっくり、目を見てそのまま後ずさりする。
・親子の場合、子を守る本能から、威嚇してくる時があるが、攻撃ではないので、
驚いて走って逃げないこと。
・攻撃態勢に移ってきたら、クマスプレーなどあるもの全てを使って全力で戦うこと。 などなど。
それを踏まえたうえで、実際に屋外でクマスプレーを撃つ練習をしました。
スプレーには、カプサイシンという唐辛子の強烈な辛味成分が入っていて、粘膜を刺激します。
なので、ヒグマの目・鼻など顔に当たらなければ効果は出ません。
(今回は、講習用スプレーを使用したので、カプサイシンは入ってない)
ここでは、20mほど離れたクマが、こちらの存在に気づき、突進してきたと想定し、
顔をめがけて撃つ練習をしました。
ソリをクマと見立てて、引っ張って全速力で走ってきます。
よーい、どん!クマ、突進!!!
受講者はソリに向かって噴射!!!
ぷしゅ~~~。
ドイツ人もぷしゅ~~~。(余裕)
参加者全員(私も)、噴射しました。
感想。
実際に時速60kmで走れる150kgの巨漢が突進してきたときに、
・落ち着いて、
・腰からベアスプレーを取り出し、
・ピンを外し、
・4mくらいの至近距離に迫るまで引き付け、
・顔の位置まで姿勢をかがめ、
・いざ、噴射!!!
・・・・って、できるか~~~! (しかも、5秒くらいで)
クマスプレーは、あくまで最悪の時の保険、と考えたほうがいい、とのことでした。
また、これを携帯していることで精神的な余裕ができ、実際会ったときに落ち着いて行動できる効果がある、とのことでした。
つまり、こういう状況を作らないことが、何よりも大事。
お互い気づかぬまま、ばったり出会わないように、こちらの存在を知らせながら行動することが重要だということを再認識しました。
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午後からは、調査開始。
・・・なのだけど、見計らったように強い雨が降ってきました。
初日からずぶ濡れの中、プロットを張ったり(調査地を設定)してました。
お疲れ様です。
みんなが出かけている間、私は孤軍奮闘、夕飯の支度。
初日だったので要領がわからず、右往左往しながら、ラタトゥユとポテトサラダを作りました。
むぅ。量が少なかったかも・・・。
ってか、1人2~3人前くらいペロリなので、人数分作ってたら全然足りなさそ・・・。
恐るべし、20代成人男子の食欲。一瞬で売り切れて終了。
夕食後は、それぞれが作業(「内業」というらしい)をしてました。
これは、土の上を歩く虫を採取するためのトラップの作成。
トラップは単純で、コップを土の中に埋める、要はただの落とし穴。
雨やゴミが入らないように、傘を作ります。
半分に切ったクリアファイルが傘になり、折り曲げたストローが傘の柄になるらしい。
柄の強度を増すために、中に割り箸を通しています。こんな感じ(↓)。
20代の大人が集まってこんな工作をしているのを見て、「君らは、小学生か!」と突っ込みたかったが、みんなは至って真面目。
一般人から見たら、小学生の自由研究みたいだと(失礼!)思うことかもしれないけど、彼らにとっては「知りたい」「追求したい」と感じる、とても魅力的なことなのでしょう。
研究を志す人は、とても真面目でピュアなんだろうなぁ、と感じました。
こちらは植物組。採集してきた植物を図鑑で調べてました。
これも、私たちが子供のころにやっていたことですね。
「これ、何だろう?」と思うことを調べる、というのは、とても大事なことです。
私も、面倒なことはしない、不要なものは切り捨てる、いわゆる「大人」になっているのかも
しれません。個人的に、反省しました・・・。
こんな感じで、初日からみんな夜遅くまで頑張ってました。
先は長いし、明日も早いので無理しないようにー。
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