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Fire In The Forest

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バンフ国立公園が行うイベント「Fire in the forest」がJohnson Lakeでありました。

 

テーマが「山火事」だったので、akkym と助手を誘って参加。

レンジャーと一緒に森を歩きながら、山火事と社会の関わりについての歴史、

山火事の必要性などを教えてもらいます。

 

まず、正面に見える林。

これは全部同じ種類(ロッジ・ポール・パイン)で同じ年齢、同じ高さの木で構成されていて、

密度も濃く、光も入らず鬱蒼として多様性に乏しい林。 

 

一方で、こちらの林はというと、、、

過去に山火事で燃えてオープンになった林。

木と木の隙間も大きく、日光はサンサンと注ぎ、新しい世代の木々が成長し、草花も一斉に育つ。

倒木は動物の住みかとなり、植物と共に、様々な種類の生き物が活動する環境が出来上がる。

 

これが、生物多様性のみなもと。

 

かつて、ネイティブの人たちは、せっせと火入れをし、開けた林を作ることで、ベリーの木を育て、

それを食べにくるバイソンを呼び込んで狩りをしていました。

自然と共に生きたネイティブの人たちは、山火事の役割を知っていたんですねー。

 

しかし、過去80年ほどの間、山火事は人間にとって不都合なことだと考えられ、できるだけ

起こらないようにしてきました。

その結果、どんどん木は増え続け、一度火事が起こった時には、大量の木が燃え、大災害

となりました。

 

今は、過去の手法が人間中心に考えられた誤ったものだとされ、

山火事の重要性、必要性を再認識し、国立公園局も必要な場所と時期を考えながら、

火入れを行っています。

 

・・・というのがレンジャー・トークの内容でした。うーん、わかりやすい!

 

他にも、全然関係ないけど、花の名前を教えてくれたり、内容は盛りだくさんでした。

 

初めて見た、エレファント・ヘッド。いっぱい咲いてました~。名前の由来はというと、、、

象の頭がいっぱいついてる~!!かわいいっ♪

 

レンジャートークも面白かったけど、ジョンソン・レイクは本当にきれいな湖でした。

その後は、隣のtwo Jack Lake でのんびりランチを食べてミーティング。

このところ、ずっと天気が悪かったので、晴れてラッキーでした♪

 

ちなみに、このレンジャー・トークは、8月8、22日も開催予定。

朝9:30~11:30、申し込みはバンフのインフォメーション・センターにて。(宣伝)

定員12名なので、希望者はお早めに!

 

Mountain Pine Beetles

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突然ですが、パイン・ビートルって知ってますか?

日本では「松食い虫」とか、言われていますが、松の木について、枯らしてしまうヤツです。

 

カナダでも問題になっていて、隣のBC州からアルバータ州にも来て、この辺の山も

どんどん枯れて赤くなってきてます。(写真では紫に見えるけど)

 

その研究をしている人たちに、先日のオープンハウスの時話を聞いたので、

自分のための備忘録としてまとめておきます。

 

こいつがパイン・ビートル(メス)。2mmくらい。

メスはホルモンを出して、オスをたくさん呼び寄せるから厄介。

キモイですが、顕微鏡でみたらこんな感じ。

見えないけど、木に入れるくらいだから、強いアゴとキバを持ってます。

こいつらが、松の木に入り込むと、木の幹はこんな感じにたくさん穴が開きます。

結構目で見えるんだなー。意外でした。

木の皮の下に卵を産み付けて、子供たちが孵化して歩き回ると、こんな感じ。

見た目的には結構アーティスティック。

で、問題なのが、こいつらが運んでくる「Blue Stain Fungi」。直訳すると、「青シミ菌」。

この菌は、木の内部までどんどん入り込んでいくので、木の幹はこんな感じになる。

この菌が、木の水分を通す道を塞いでしまい、水分補給ができなくなった木は

どんどん枯れていく。

普通、健康な木は樹液を出して外敵から身を守ろうとするけど、

枯れて弱っていくとそれが出来なくなり、さらにパインビートルが侵入する、という悪循環が生じる。

 

そして、ブルー・ステイン菌が付いた木材は、強度的には問題なくても、

見た目的には売り物にはならなくなってしまう。

結果、林業がさかんなカナダでは、木材として使えなくなり、大きな問題となっている。

 

パイン・ビートルは、寒さに弱いので、-40℃以下の日が数日続けば死んでしまうのだけど、

近年は(温暖化で?)そんな日が続かないので、増え続ける一方だとか。

 

というわけで、かなり厄介者なのですが、有効な解決策は今のところ見つかってません。

 

これも、自然にとって必要な撹乱なんですかねー?

 

 

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