クイーンズランド大学 The Ecology Centreのセミナーにおいて、講演を行いました。セミナーでは、カナディアンロッキーの山岳林における山火事体制に対する気候変動と人間活動の影響についての話をしました。
オーストラリア大陸はやはり山火事が多く、山火事の研究者が多いのですが、植生も山火事体制もずいぶんと異なります。アボリジニーが昔から火を利用してきたこと、そして、山火事体制や生態系に対して関与してきたことがよく知られています。また、東海岸では、エルニーニョを介した気候の変動による影響も大きいことが知られています。
しかしながら、山火事体制に対する人為影響と気候変動の影響については、定量的には評価されていません。その点において、私の話が皆さんにとって有意義であったのであれば良いのですが。
ところで、ブリスベン郊外の自然保護区へエクスカーションに連れて行ってもらいました。場所は、Koala Bushlandsです。多数のユーカリ種から成る林で、コアラの痕跡(爪痕や糞)が見られましたが、コアラ自体は見かけませんでした。しかし、Swamp WallabyやSouthern BooBookが見れました。
ところで、この林でも山火事の痕跡をたくさん見かけました。オーストラリアの東海岸はエルニーニョの時期に旱魃と山火事が起こります。そして、カナダやアラスカにおいても、エルニーニョの時期に山火事が起こります。北半球と南半球、非常に遠く離れた両地域において、同じテレコネクションの影響を受けることは、非常に興味深く思います。今後は、より広域的な現象にも焦点を当てていきたいと思っています。