2014年7月アーカイブ

保護から管理へ

最近、新聞社や番組製作会社などのメディアの方からの問い合わせ、ヒアリングなどが相次いでいます。

その中で、毎日新聞社の方より、鳥獣保護法の改正に関する意見を求められました。2014年6月12日付けの「記者の目」というところで紹介されたようです。

今回の法改正により、シカなどの捕獲による個体数管理を積極的に行うことができるようです。そこで、私の主張として、「捕獲する数には、科学的な分析を反映させなければならない。行政は組織内に、現場に出向くことのできる科学者を確保するのが理想だ」と紹介されています。

これも私の主たる意見のひとつではあるのですが、より強調したかったのは、以下の点です。

○ 鳥獣管理が積極的に行えることは、生態系管理の柔軟性を高める点で前進と言えるかもしれない。
○ しかしながら、あくまで個体数調整などは、シカなどが増えすぎたことに伴う問題対処のためのいわば"バンドエイド"を張るような対処療法に過ぎない(比喩の訂正:現地で対処されている方々の苦労を思うと、とてもバンドエイドを張るような簡単な作業ではないと反省しました)。ゆえに、土地利用のあり方など、鳥獣が増えすぎてしまったことの根本原因を正す必要がある。
○ 対処療法にばかり目が行き、根本治療から目を背けるような結果になってはいけない。

以前にNatureに出したコメント記事でもそうでしたが、間違ってはいないが、もっとも強調したい点が強調されなかったりします。なかなかメディアの方に、説明するのは難しいと感じています。

バンクーバーより

7月よりバンクーバーに移りました。

昔所属していたSimon Fraser Universityで再び研究をしています。
半年間の一時滞在です。また、調査や実習などで、その間にも日本に戻ります。

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ラボから見る風景、なつかしのSFU

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車窓から見る、遠くに浮かぶダウンタウン

運転していて気づいたのですが、この街は地図がなくても道を覚えています。一方で、横浜ではいまだにナビがなくては運転が困難です。つまりは、普段ナビに頼っているといつまでたっても道を覚えないのですね。

そこで思ったのは、ナビゲートしてもらうとその場では快適にこなせても、長期的にはあまり何も身につかないのではということです。教育でもそうなのではないかと。学生の指導にも当てはまるのではないかと。かといって放任すれば、勝手に道を覚えてくれるだろうというわけにはいかないでしょうし・・・。教育って難しいですね。


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郊外にあるUBC(別の大学)の研究林にも行きました。

私の好きなDouglas-firがたくさん生えていました。北米ではメジャーな樹種ですが、実際にはカナダではごく一部の南西部沿岸および南西部内陸地域にしか生えていません。

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山にも海にも面するバンクーバー、毎日快晴で夕景が綺麗です。

あのいまわしい雨季が来るとはにわかに信じられないくらいに、毎日明るく晴れ渡っています。


知床へ 2014夏の調査(羅臼岳)

そして、またもや山登り調査。

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晴れ渡る知床連山。この日はオホーツク海も太平洋もどちらも晴れ渡り、羅臼岳の山頂からはすべての方角がよく見えていたようです。

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6月も下旬なのに、まだ咲いていました。

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樹冠から見下ろす。

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尾根上からは、知床五胡が良く見えました。

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そして、低標高帯の調査地。

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相変わらず綺麗な針葉樹林でした。

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下山後に見る夕日。

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この日は雲にさえぎられることもなく、完全に海に沈んでいきました。

今年も行きました。知床へ。

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晴れわたるオホーツク海を見渡す。

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100平方メートル運動地における調査の様子。

まだ新緑が広がっていました。

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花も咲き誇っていました。

ところで、今年はべビーブームのようで、子供連れのヒグマが多かったです。

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クマを警戒しつつ食べる昼食の様子。みんなバラバラの方角を見ています。

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木々の間から見る海に沈む夕日。

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晴れの日の写真ばかり担っていますが、こんな夕景は最初はなかなかに見れなかったです。

研究にまつわる写真

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