木材設置の旅

世界中で行っている実験の一環で、さまざまな場所の森林で木材を設置して回っています。

カナダ帰国後に、北茨城・小川と沖縄・やんばるに木材設置の旅に行きました。森林総研の方々、琉球大学の方々にお世話になりました。ありがとうございました。

カナダでの-20度近くから、小川でのほぼ0度を経て、沖縄での+20度越えと、温度変化に苦しみながら(風邪もひきながら)、なんとか日程をこなせました。


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小川への道中にて


翌週には沖縄へ

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久々のやんばるの森


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帰路に偶然通りかかった潮間帯で見たチビ・マングローブたちの成長に、うちのラボのポスドクたちの将来の成長を重ね合わせてきました。


帰路には、久々に南国の海を眺めました。

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今回の調査では、今月で卒業するラボのメンバー2名に同行してもらいました。ずっと知床を中心とした寒いところばっかりだったのに、最後の野外調査が南国とは、なんとも不思議な感じがしました。

もうすぐ卒業、時間が経つのは早いものです。

ケベック・トロント訪問

昨年に引き続き、真冬のカナダ東部ケベックへと行ってきました。

北極研究プロジェクトでお世話になっているラバル大学を中心とするCEN (Centre for Northern Studies)の年次会合(↓)で基調講演をさせて頂きました。私の発表だけが英語で、あとの発表は2日間ずっとフランス語でした(懇親会除く)。なかなかの経験でした。

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その後、トロントへ移動し、トロント大学スカボロ校でも発表をする機会を得ました。

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トロントでは天気にも恵まれ、少しばかりフィールドにも連れて行っていただきました。

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短い日程で盛沢山かつ時差ぼけで大変でしたが、今後の共同研究の展望が得られました。

特集号

企画編集に携わった特集(Forest biodiversity and ecosystem services)が、イギリス生態学会のJournal of Applied Ecologyで公開されました。すべての論文は、2か月間限定ですが、無料で公開されています。

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特集号の表紙は、知床の「しれとこ100平方メートル運動地」です。当地を対象とした研究成果も掲載されています。

特集の論説総説の双方で意見を述べたので、これ以上何を書いていいのか悩みましたが、雑誌のブログにも記事をということで簡単ながら寄稿しました

なんだかんだで2年間ほど要しました。結構長い道のりでした。

修論発表会

修士の論文発表会を終えました。修士課程の間に4名全員が論文を英語で書いて発表し、2年間立派に過ごしました(業績はM2の各自のページに記載)。そして、発表会が終わったにも関わらず、投稿論文を書くための作業がまだ残っているので、皆頑張っています。

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お気遣い頂きました。誕生年のワインなんていつ空ければいいのか・・・。一生飲む決心つかないかも。

樹木多様性と土砂災害

日本全国の森林データベースと土砂災害データベースを用いて、樹木種数と表層崩壊に伴う土砂災害との関連性を評価した論文が、米国のEnvironmental Managemenrtにおいて掲載されました。筆頭著者は、修士2年の小林勇太です。

Kobayashi Y, Mori AS (2017) The potential role of tree diversity in reducing shallow landslide risk. Environmental Management : in press.

トヨタ財団ウェブページでもご紹介いただきました。

生態系をベースにした災害リスク低減(Eco-DRR)の可能性については、世界中で議論されているところです。この文脈において、とくに生物多様性の効果について着目されつつあります。たとえば、国際自然保護連合(IUCN)のRelief Kitと呼ばれるプロジェクトなどがあります。しかしながら、生物多様性が災害抑制や、あるいは災害からの復興に寄与するのかどうかは、実証に欠けているところが現状です。そこで、Eco-DRRのうち、とくに多様性の役割を評価しようと試みたのが本研究です。

結果としては、生物多様性が災害抑制に直接的に寄与するという実証は得られませんでした。しかしながら、多様性の間接的な関わりは見出されました。端的に述べると、樹種多様性を高く維持するような土地利用が、災害予測に係る不確実性を削減し得ることが分かりました。

樹木種数については、林野庁による「森林生態系多様性基礎調査」のデータを用いました。また土砂災害についても、国土交通省による「土砂災害・雪崩メッシュデータ」を用いました。日本全国をカバーする貴重なデータで、個人レベルではとても取得できません。有意義に活用させて頂きました。ただ残念なことに、両データ共にデータへのアクセスが限られており、土砂災害抑止により貢献するような樹種や森林タイプの特定などについては解析することすら叶いませんでした。ゆえに今回の結果は、あくまで多様性と災害の関連性の一端を示すものに過ぎません。特に個々の樹種の効果や機能的多様性などは興味深いところです。今後、可能であれば、樹木多様性と災害リスクとの関連性をより精査したいと考えています。

ウィーンへ

共同研究のためにオーストリア・ウィーンにあるBOKU Universityに滞在していました。結構いたので今回の記事は少し長いです。

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ガラス張りで明るい大学


ウィーンやオーストリアについては、とくに情報も知識もないまま出発しました。訪れてみて他の欧州の大都市(特に西側の)とは様々なことが異なることを知り、驚きの毎日でした。

相当な観光地であることもよく知らないままに来てしまいました。ウィーンのカフェ文化についても全然知りませんでした。

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城のような市庁舎とマーケット


今回は冬であることと、研究テーマがモデルを軸にしたものであるために、主に研究室訪問という形でした。毎日のようにディスカッションをし、論文を読みあい、ワークショップに参加しと忙しく、ウィーンの観光地らしい場所には結局ほぼ行かずに、忙しく今回の滞在を終えました。

ただ、12月は予想外に暖かい日が多く、期待していませんでしたがフィールドにも行けました。

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施業林の広がる景観

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ドナウ川沿いのCultural landscape


とくに印象的だったのは、ラボのメンバーで夜にカフェでビールを飲みながら、特定の論文について議論しあうことでした。オペラ鑑賞前の着飾った人々で賑わう伝統あるカフェでというあたりが、カフェ文化のウィーンらしく印象的でした。

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一見すると、ラフな格好で論文について議論するとかいう雰囲気ではなく、知らなかったら入るのに抵抗がありそうな場所でした。文化の違いですね。


今回はクリスマス時期に重なったために、街中にマーケットが出ていました。大学の前の何気ない公園でもマーケットが出ており、時おり大学の敷地内でもホットワインの屋台が出ているという、まさにクリスマス一色でした。

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大学前の公園にて


滞在先の学科全体(研究室が5-6個ある)の一年間の総括とクリスマスイベントにも参加しました。総括は、授業や実習の評価、学生からの意見、修士や博士の修了者数や要した年数、査読論文の公表数や査読回数、諸々の社会貢献、外部資金の獲得状況まで、あらゆることを数値化して評価していました。自分たちで設けた基準点があるらしく、それをクリアしたかどうかを全員で公開して評価するというイベントでした。これをすることで公正に内部評価をすること、大学からの運営金の配分状況が決まることなど、一大イベントのようでした。その場では、学科長が「成果を出さなければ各々が研究者である資格はない」と何度も強調して、全体を鼓舞していたことが印象的でした。

その年末総括会の後に、全員で歩いてこれまたウィーンらしい趣のあるワイナリーに行き、クリスマス会が行われました。ここでは学科長が、私を含む他国・地域からの訪問者に対して、多様性をもたらす存在として感謝を述べていました。有難い話で、とても居心地の良い滞在となりました。

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研究の方も思いがけず進展し、新たな展望が得られました。また他の中欧諸国の人々との研究交流の機会も得ました。

というわけで大変充実しました。また行きます。

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IPBES報告書の公開

IPBES Deliverables 3cの報告書、正式に承認されてからはや11ヶ月、ようやく公開されました。

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国際生物学賞シンポジウム

平成28年度国際生物学賞の受賞者は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のDr. Stephen P. Hubbellとなり、授賞式・記念式典・記念シンポジウムに参加させて頂きました。

日本学士院での式典は何とも言えず立派で、珍しくスーツを着用することとなりました。共同研究者であるミネソタ大学のForest Isbellもシンポジウム登壇者として招聘来日していたので、積もる話をする機会を思いがけずに得ました。

下手な英語での講演でしたが、シンポジウムでの発表も何とか終えました。youtubeで配信されたようですが、いまは配信されていません。下手な英語が継続的にウェブ上に残ることなく安心しています。


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郷キャンパスの道、秋真っ盛りの様子を楽しむための人々で賑わっていました。


前日が日帰りで知床だったために疲労でクラクラしていましたが、今後の研究に対する示唆を得ることのできる日々でした。

IPBESワークショップ

湘南国際村にある地球環境戦略研究機関(IGES)で開催されたIPBESのシナリオワークショップに参加しました。私自身はもうすでに執筆の終えているワークグループに属するので、主に傍観する日々でした。

ラボの展示

知床国立公園の玄関に当たる知床自然センターにおいて、当ラボの研究内容、とくにフィールドワークから論文に至るまでの一連の作業に焦点を当てた展示が始まりました。

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題名は「知床の自然のしくみとつながり―フィールドから論文まで―」です。

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入口からの様子

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調査地を決めるところから、野外調査、調査後の毎日の内業、室内実験から学会発表の様子までを写真で展示しています。

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植生調査の様子も再現し、調査者もいますし、クイズもあります。

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林内や路傍の植生(われわれの調査対象)も再現しました。個々の種が見事に造作されて、ラボレベルでの展示とは思えない出来栄えになりました(すべて学生の努力です)。

すでに論文発表した各研究内容もポスターにて解説しています。

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北半球の寒い地方に展開するラボのフィールド調査地も紹介しています。

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生物多様性、生態系サービスの紹介と、それらに係る知床での研究成果論文も紹介しています。

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今回の作業に係るラボ代表と知床財団代表の記念写真

素晴らしい展示が完成して、満足です。ラボの皆、知床財団の方々による協力の賜物です。展示で改めて分かったことは、われわれの作業は泥臭く、道具もアナログなモノが多く、地道だなということです。

フィールドワークの様子とそこから紐解く生態学の様子が伝われることを願います。

研究にまつわる写真

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