軋轢というのでしょうか。最近よく聞く話である気がします。
最近ある話を目にしました。以下、大半の方にとっては大した話ではないかもしれませんが、私個人の趣味としてのクライミングに関わっては、大した話もであります。
(クライミングの)専門誌に山梨県の瑞牆山のカンマンボロンと大面岩という岩場において、ハヤブサ繁殖時期の登攀自粛の呼びかけが載っていました。
-瑞牆山不動沢の岩峰群-
気になって調べてみたところ・・・
1)ハヤブサ(ファルコン)の営巣に与えるクライマーの影響は昔から議論されてきたテーマであり科学論文もそこそこある。その結果、スコーミッシュ(バンクーバーの北にある州立公園)などでは一定時期登攀禁止になるエリアを設けている。
2)ハヤブサの繁殖に影響する要因は、クリフの標高・サイズ・傾斜・方位、卵を食べる捕食者の存在などである(Arambarri & Rodríguez 2010, Bird Studyなど)。ちなみに、大きくてスティープな崖程よいとの報告もある。
3)ハヤブサの卵の捕食者でるカラス科の鳥に匹敵するほどに、クライマーは悪影響があるとの報告もある(Brambilla et al. 2004, Ardeola)。
4)瑞牆山が国立公園(秩父多摩甲斐国立公園)内に位置する。
5)ハヤブサが環境省レッドリストのVU種である。
などを鑑みて、
「ハヤブサであることが確認されたならば」、繁殖時期の登攀自粛をする妥当性はあると思います。3-5月が妥当な範囲でしょうか。
ただし、対象となる可能性があるのは、上記の岩場だけではないかもしれません。ハヤブサの好む環境的には、不動沢の岩峰群や十一面岩も繁殖営巣の場所として利用される可能性があります。
-瑞牆の森-
予算と時間があれば自分で現地調査をもとにきちんと評価できるのですが・・・。
どなたか手伝い求む。