2013年10月アーカイブ

知床へ 2013夏の実習


知床では複数の調査プロジェクトを同時に進行させつつ、学部実習も同時に行いました。

知床国立公園/世界自然遺産を管理する立場にある知床財団からのレクチャーを受け、

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利用調整の試みについても体験し、

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実際に森を歩くというものです。

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天気にも恵まれ、雲一つない好転下での実習となりました。雨天時のプランを考えていなかったので、助かりました。

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ナショナルトラストの地である(そして、私たちの調査地でもある)100平方運動地も見て回り、

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天然林での調査の様子も見てもらいました。


ただ、調査の様子を見ているだけよりは、実際に手を動かす何かを考えるべきかなと思いました。来年以降に生かしたいです。

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調査とは対照的に、色んな意味で楽でした(ヒグマが出たこと以外は)。

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知床へ 2013夏の調査

今年はすでに計4回の知床での野外調査を行いました。まだもう一回ありますが・・・。

とても多くの方が参加してくれました。


またもや雨の中、山登り調査へ。毎日山登るのは効率悪いからアクセスが便利なところで調査するはずだったのに、なぜか毎日山へ。雨も多くて、泥まみれ。

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ときに辿り着くのに2時間以上かかる。標高傾度の調査設定は、車でアクセスできるやまでやるべきでしょうか?そもそも世に出ている標高傾度の研究って、どれだけが足で稼いでいるのでしょうか?

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植物はみずみずしく

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フクロウもみずみずしく

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ひたすら根っこを見て、森はおろか木も見ていないような時間をたくさん過ごし・・・

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ここではヒグマにも遭いました。向こうはこちらのことなんて気にもかけずに歩き去りましたが・・・。

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山を登らない調査プロジェクトも進行中です。

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本当に悪天候時はさすがに内業だけしかできず

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でも、晴れればオホーツク海に沈む夕陽を見て、美しい黄昏時を過ごしていました。

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査読論文の評価

学術論文は、雑誌の編集者と第3者の査読者(複数名)によって評価され、内容の妥当さや新規性をもとに、掲載の可否が決まります。

これに関して、最近いくつかの興味深い(少なくとも私には)コメントを読みました。

ひとつめは、TREEに掲載されたi意見で、要は、斬新さ(novelty)を理由に査読に回さずに、編集者がリジェクト(掲載拒否)の判断を下すのは、科学の発展の妨げになり得るというものです。


本当に斬新な(新規の)研究なんてほんのわずかで、大半の研究は、過去の研究の積み重ねの上に成り立っているものである。ゆえに、雑誌が研究の斬新さを求めすぎると、著者は故意に、あるいは意図せずに、自身の研究の新規性を誇張することにつながるし、何よりも過去の重要な研究の価値を下げたり、無視したりすることをもたらすという意見です。そのために、査読の初期段階では、斬新さよりも、方法論などの内容の妥当性で評価すべきとのことです。

確かに、言われてみれば、新規性を強調するために、内容の似る最近の論文をあえて引用しなかったり、無理矢理に斬新さを謳おうとすることが私にも少なからずあったような気がします。

この話は、最近はどの雑誌も採択率が下がってという出だしでしたが、打って変わって、論文出版がいとも簡単にできてしまうという報告が、先週のScienceで記載されました。


ここでは最近乱立するオープンアクセスジャーナル(出版社ではなく、著者が出版費用を払う)についての記事です。

この報告によると、少し考えれば内容が妥当ではないとわかる論文をあえて作成し(英語もネィテイブではないものに崩して)、あちこちのオープンアクセスジャーナルに投稿するというものです。その結果、多くの雑誌が、いとも簡単に(本来掲載拒否されるべき)論文を受理し、出版代金を請求してくるということです。なかには、投稿しただけで、いきなり出版費用の請求が来ることもあるようです。

このような出版社は、見た目上は米国や欧州に住所を置いているように見せるが、実際には存在しない住所だったり、送金先はインドや中国であったりするとのことです。この報告中には、実際にどの地域の銀行口座を用いているのかの地図が表示されており、明らかにインドが多いです。

つまりは、査読とは名ばかりで、容易に受理され出版される雑誌が、世の中には溢れかえっているとのことです。先の主要雑誌では採択率が軒並み下がりという報告とま逆ですが、なんでも良ければ論文が出版できるという恐ろしい(科学の発展を妨げ得る)時代になったのですね。

ちなみに、このような雑誌でもっとも有名なPloS ONEは先の論文を掲載拒否したようです。このような試みが知らずに行われていることもなんだか怖いですね。

研究にまつわる写真

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