雪降る都会で思うこと

新年あけましておめでとうございます。

本日は、都心でも雪が降っていますね。横浜でも場所によっては、10-15cmほど積もっています。通りゆく人々は、慣れない降雪のなかで滑らないように慎重に歩き、木々は慣れない冠雪に枝が大きく垂れさがってしまっています。

これくらいの降雪、人にも樹木にも、場所によってはぜんぜん普通のことでしょうね。しかし、ここでは、数年に1度あるかないかのイベントです。ある場所では普通の出来事が、違う場所では驚きに変わるのを見ながら、いろいろと考えさせられます。

普段経験しないことが起こると、それが違う場所では普遍的なことでも、極端な、あるいは、異常な出来事として捉えられてしまうのも理解できます。そんなことを、思いっきり垂れ下がってしまった街路樹の枝をかきわけながら歩き、考えています。

自然の中で生じる撹乱やそれに伴う災害に関わる身として、今後の在り方、メッセージの伝え方について思いを巡らせています。

降雪に見舞われた湘南のホームセンターで、雪かき用のシャベルやタイヤチェーンを買う人たちを見ました。日常生活で普段は不要だったからか、雪が降ってから準備している様子を見て、人はどう思うのでしょうか?準備不足だなと思うのか、今後それらの道具を湘南でいつ使うのかと疑問に思うのか、今後に備えておけば憂いなしと共感するのか。

めったに起こらないことだからと備えないことは問題だと思います。かといって、めったに起こらないことのために、あるいは本当に起こるかどうかのために、備えすぎるのも問題です。シャベルは今後いつ使うのか分からなくてもそれほど高い買い物ではないですが、極端な例ですが、湘南で除雪機を購入する家庭はやりすぎでしょう。

めったに起こらないことでも、起こる可能性を想定しておくことは大事ですね。そうすることで、変化に柔軟に対応できます。かといって、それを大義名分にしてしまうのも問題です。洪水防止の名分のもとに行われてきた日本全国の徹底的な河川改修や、土砂崩れ防止の名分のもとに実施されてきた法面緑化などには、そのような視点が垣間見える気がしてなりません。最近では、復興予算についての問題が記憶に新しいです。

もちろんハード面の準備も大事ですが、よりソフト面の準備がより重要になるのではと思います。しかし、国土増強のために予算を投じると述べる現政権を見ていると、またハード面の投資に走るのか・・・と、いろいろと憂いています。

研究にまつわる写真

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