今年を振り返ると、それなりに色々とありました。公私ともに学んだのは、人それぞれの価値規範の違いについてです。
自分が興味あることを、万人が等しく興味を持ってくれるわけではない。
同じ目標(たとえば、ある地域の生態系の保全や復元、ある地域の復興や発展)を共有していても、細やかなところでは、価値観が全然違うとか、優先順位が全く異なるとか、そのようなことは(当然ですが)多分にあります。
自分の価値規範が全てではないことは、普段から認識するように心掛けています。普段の授業においても、私の説明が私見に過ぎないときは、そのように明確に述べるようにしています。この説明が絶対的なものではないことを。自分の意見や価値観を押し付けがましくなりそうなとき、なったときは自戒するようにしています。
歩み寄りは大事だと思います。歩み寄りを妥協と勘違いしないことも大事だと思っています。譲れないことは譲れません。それも大事です。しかし、異なる価値観に全く耳を貸せないことは、頑固を通り越していると思います。価値観の多様性も重要視していくように、心掛けたいです。
今年、ある投稿論文において、もっと異なる分野、専門、地域の研究者の意見も取り込んだ内容に仕上げてほしいと、査読コメントで指摘されました。その通りです。もっと色んな意見、視点を取り込んでいけるように、精進しなければなりません。今この論文は、さまざまな国の方々に参加してもらうことで、よりよく改善しつつあります。
ライフワークとして取り組んでいる登山やクライミングでも、人ぞれぞれのスタイルがあります。自分が受け入れられないこともあれば、他人にとやかく言われる筋合いはないと思うこともあります。しかし、自分の価値観が全てではありません。
自分の価値規範を曲げずに、異なる価値規範を軽視せずに尊重すること、ともすれば相反する可能性がありますが、そのバランスを見失わないように。
というわけで、来る新しい年には、もっと柔軟に異なる考えを取り込みつつ、邁進したいと思います。