前々回の日本生態学会盛岡大会にて、企画しました「我々は生態リスクとどう向き合うのか?」のシンポジウムの内容を扱った総説の特集が、日本生態学会誌に掲載されました(ようです。海外にいるので、実物は見ていません)。
これは、2008年から企画を進めたもので、特集の著者の方々(シンポジウムの演者の方々)には、事前に横浜国大まで足を運んでいただき、講演会&生態リスクCOEのフェローやRAとの勉強会にもご協力いただきました。
盛岡でのシンポジウム本番を経て、日本生態学会誌で特集として掲載することを目的に、各自執筆を進め、ようやく出版に辿り着きました。
私自身はカナダにいるので、雑誌自体を直接に読んでいませんが、こうして一つの形になったことは、我々の取り組むにひとつの区切りをようやく付けれたと思います。しかし、この特集のそれぞれの内容は、実際の生態系や環境管理に生かされてこそのものだと思います。
今回のタイトルには、「我々は」が頭についています。この「我々」は生態学者のことを指しています。生態リスクと向き合うのは、科学者だけではありません。地域住民や環境団体などの多くのステークホルダーが関わります。しかし、多くの異なる立場に基づいた論理展開をすることは非常に困難です。ですので、今回は、我々生態学者にとって参考となるであろうことを中心にまとめました。本学会員をはじめとする多くの研究者の方々の応用研究や社会との関わり方において、今後の役に立てばと思います。