2010年10月アーカイブ

地域と大学との協働

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かつて所属していたSimon Fraser UniversityのDr. Ken Lertzmanより連絡を受けました。

先月、SFUは、Tula FoundationというNPOとパートナーシップを結んだようです。Tula Foundationからは、8年間で800万ドルの支援がSFUになされるようで、BC州の中部沿岸地域にあるGreat Bear Rainforestにおけるecological and social sustainabilityについての研究と、ecosystem-based managementを実行するようです。

Kenは、そのHakai Network for Coastal people, Ecosystems and Management というプロジェクトのCo-Directorになったとの連絡でした。

グレートベアーレインフォレストといえば、長年にわたる環境保護団体による要求の結果、BC州が保護プロジェクトを立ち上げた、世界最大の温帯雨林です。ハイイログマやクーガー、ウルフやサーモンなどの動物が豊富に生息することも知られています。

その場所における生態系管理の追求ということで、非常に興味深い連絡でした。環境保護団体の中には、州政府の計画では、ecosystem-based managementに関する実現性が低いとの批判もあるようなので、今回のNPO主体のプロジェクトの立ち上げは、当地域における先住民や林業企業、環境保護団体など利害関係者を含む保護管理に強い影響を与えると予想されます。

 

なお、BC州の沿岸地域の生態系管理においては、先住民は非常に強い影響と大きな役割を果たします。南東アラスカの南に浮かぶ、クイーンシャーロット島として知られるHaida Gwaii(2010年7月に正式名称は、元々の先住民の呼び名である後者になったようです)では、Gwaii Haanas National Park Reserve and Haida Heritage Siteとして、先住民と連邦政府による協働で管理が行われています。

ここでは、Haida Gwaii Higher Education Society (HGHES) と呼ばれる教育プログラムがあります。ここでは、Haida Gwaiiに滞在し、そのフィールドの中で、資源管理にかかわる基礎知識、意思決定、フィールドワーク、地元コミュニティーからのレクチャーといった環境教育が大学生を対象に行われています。期間は1学期間で、3週間のコースが各5回あります。

Kenも担当教員として参加しているようです。隔離された実際のフィールドで1学期もの間、フィールドコースを実施していることや、各教員がそれにつきっきりであることからは、資源管理に関する教育への必要性の高さを表しています。

 

やはり資源管理は、机上の空論にならないように、現地に出て体験し、インスピレーションを得ることが重要です。

 

冬化粧

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カナダに来てからまだ2週間で、美しい紅葉はあっというまに去り、冬の便りが届きはじめました。 

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一面雪化粧になった森林は、なんだか荘厳でした。

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冬が始まるのですね。

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Lab meeting

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カルガリー大学へ移ってきてからは、Biogeoscience Institute(BGS)だけでなく、BGSのDirectorである、Dr. Edward Johnsonのラボにもお世話になっています。セミナーや授業にも混ぜてもらうことになっていますが、毎週水曜の夜19時から21時にEdの自宅で行われるlab meetingにも参加しています。

自宅なので、お茶を飲みながら気軽にディスカッションするのかと思いきや、全然違いました。かなり真剣な議論にびっくりしました。そもそも、カナダ人といえば基本的に16-17時までしか研究室にいないという印象なので、19時からミーティングをすること自体に驚いていました。

毎回、最近のトピックを扱った最近の論文をピックアップして、それについて議論します。日本の大学で行われているような、論文の内容について代表者が説明するようなことをするのかと思っていましたが、そうではなく、論文については各自が先に読んでおき、そのトピック自体について主に議論します。

秋学期最初の週のミーティングでは、Metabolic theoryについて、2週目は、Statistical fluencyについての議論でした。

論文を選んできた学生が、この論文自体や研究分野そのものについて意見を述べます。すると、すかさず教授から鋭い反論が返ってきます。意見を即座に言い返せない学生はたびたび考え込んで黙り込んでしまっていました。

私の英語力では、一人が話している間は聞き取ることができても、何人かで一斉に議論しだすとついていけなくなります。議論が進むと話すスピードも速くなるので、ついていくのがなかなか辛いです。スラスラと意見が述べれるようになる時がくるのかどうかは疑問ですが、とても良い刺激になっています。

 

 

カナダへ

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10月1日よりJSPSとNSERCのサポートにより、カナダ・カルガリー大学へ移ってきました。現在は、Biogeoscience Institute(BGS)というカルガリー大のフィールドステーションにいます。場所は、カナナスキスというカルガリー側から見たロッキー山脈への入り口で、フットヒルに位置します。 

 

紅葉のピークが過ぎたくらいでしたが、まだまだロッキーは金色に光り輝いていました。 

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フィールドステーションの前にある湖の対岸の山の上から見下ろすと、ロッキーの山々が見えます。

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東の方角、カルガリー方面を見ると、中部大平原(Great Prairie)が見えます。

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これからしばらくは、こちらカナディアンロッキーより、研究の様子を伝えていきたいと思います。

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研究にまつわる写真

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