かつて所属していたSimon Fraser UniversityのDr. Ken Lertzmanより連絡を受けました。
先月、SFUは、Tula FoundationというNPOとパートナーシップを結んだようです。Tula Foundationからは、8年間で800万ドルの支援がSFUになされるようで、BC州の中部沿岸地域にあるGreat Bear Rainforestにおけるecological and social sustainabilityについての研究と、ecosystem-based managementを実行するようです。
Kenは、そのHakai Network for Coastal people, Ecosystems and Management というプロジェクトのCo-Directorになったとの連絡でした。
グレートベアーレインフォレストといえば、長年にわたる環境保護団体による要求の結果、BC州が保護プロジェクトを立ち上げた、世界最大の温帯雨林です。ハイイログマやクーガー、ウルフやサーモンなどの動物が豊富に生息することも知られています。
その場所における生態系管理の追求ということで、非常に興味深い連絡でした。環境保護団体の中には、州政府の計画では、ecosystem-based managementに関する実現性が低いとの批判もあるようなので、今回のNPO主体のプロジェクトの立ち上げは、当地域における先住民や林業企業、環境保護団体など利害関係者を含む保護管理に強い影響を与えると予想されます。
なお、BC州の沿岸地域の生態系管理においては、先住民は非常に強い影響と大きな役割を果たします。南東アラスカの南に浮かぶ、クイーンシャーロット島として知られるHaida Gwaii(2010年7月に正式名称は、元々の先住民の呼び名である後者になったようです)では、Gwaii Haanas National Park Reserve and Haida Heritage Siteとして、先住民と連邦政府による協働で管理が行われています。
ここでは、Haida Gwaii Higher Education Society (HGHES) と呼ばれる教育プログラムがあります。ここでは、Haida Gwaiiに滞在し、そのフィールドの中で、資源管理にかかわる基礎知識、意思決定、フィールドワーク、地元コミュニティーからのレクチャーといった環境教育が大学生を対象に行われています。期間は1学期間で、3週間のコースが各5回あります。
Kenも担当教員として参加しているようです。隔離された実際のフィールドで1学期もの間、フィールドコースを実施していることや、各教員がそれにつきっきりであることからは、資源管理に関する教育への必要性の高さを表しています。
やはり資源管理は、机上の空論にならないように、現地に出て体験し、インスピレーションを得ることが重要です。