個人的プロフィール


ひき逃げにあった幼少時の影響で下半身に負担のかかるスポーツをあきらめた時から登山(マウンテニアリング)を始めました(今思えば、重い荷物を運ぶ登山は全くもって下半身に負担だったような)。その後、登る対象が垂直となり、距離も伸び、ビッグウォールクライミングと呼ばれるものを嗜むようになりました。さらには、傾斜もだんだん急になり、いまや天井にぶら下がるようなクライミングを主にしています。

さて、高校生の頃、登山をしている際に、奈良県の大台ケ原で(当時は死の林に思えた)枯れ果てたトウヒ林を見たのが、森林生態学を志すきっかけとなりました。伊勢湾台風に攪乱された森林が、増え続けるシカによる植食の影響と相まって、再生が滞っていたのです。ゆえに、トウヒを含む亜高山帯林を対象に、自然攪乱と森林動態の研究を実施するに至りました。

学生時代から今に至るまで、研究とマウンテニアリングを並行して行うことで、相乗的な効果を生み出せたと思っています。どちらかに集中するより、仕事と趣味を両立した方が、双方に効果的だと思っています。ライフワークバランスは常に重要なテーマです。本当に色々な場所に行きました。

博士の学位取得後は、北方林生態系の研究とクライミングを同時に行うにおいて理想的な北米に移り、昼は研究、夜と週末はクライミングとバックカントリースノーボードの日々でした。カナダとアメリカでは、研究の今後の具体的な方針を得ることができたとともに、印象的なクライミングができました。

クライミングやバックカントリーツアーの最中に出会った景色や情報、そして写真は、生態学の研究と教育の様々な場面で役に立っています。だから、クライミングやスノーボードのトリップでも論文とカメラは欠かせません。

マウンテニアリングの技術や経験は、ときに僻地や踏査困難地に赴くフィールド生態学に非常に役立っています。おかげで、北米西海岸の巨木の樹冠調査(シングルロープによるアクセス)や高緯度北極圏の氷河後退域の調査(ひたすらキャンプ生活&未踏峰での測量など・・・)も楽しく過ごせました。

山でもまれた経験と、自然撹乱に関する研究の知識は、自然環境の中で起こり得る「驚き」にどう向き合うのかを考えるにおいて役立っています。「レジリアンス」と呼ばれる変化に柔軟に向き合うための能力は、自然の厳しさに揉まれる中でよりその意味を噛みしめることができます。

現在は、アウトドアメーカーによるサポートも受けながら、自身のライフスタイルを追求しています。山岳地や天然林、自然保護区といった自身のライフスタイルの場を提供してくれる自然環境の保全と管理に貢献するために、フィールドに基づく活動を続けていきたいと思っています。

欲張りですが、露出の高い学術誌に研究成果を公表しつつ、その成果を社会的枠組み・政策・教育に還元しつつ、自然環境に触れ合うことを忘れないために、良いスタイルでマウンテニアリングを続けていきたいです。

要は、興味のあることだけしてきただけです。まだまだ登っている真っ最中です。

 

主な業績


章(編著)(2012)  エコシステムマネジメント-包括的な生態系の保全と管理へ-. 共立出版, 350p

 

Mori AS, Furukawa T, Sasaki T. (2013) Response diversity determines the resilience of ecosystems to environmental change. Biological Reviews 88: in press.

Mori AS (2011) Making society more resilient. Nature 474:284.

Mori AS (2011) Ecosystem management based on natural disturbances: Hierarchical context and non-equilibrium paradigm. Journal of Applied Ecology 48:280-292.

(2010) 撹乱生態学が繙く森林生態系の非平衡性. 日本生態学会誌 60:19-39.

 

レッドポイント: 5.14a(スポート),5.13a(トラッド)

オンサイト: 5.13b(スポート),5.12a(トラッド)

 

ヨセミテ国立公園・エルキャピタン西壁・ラーキングフィア ワンデイアッセント(12時間50分,2時間の先行パーティ-待ち時間含む) 2006年9月

ヨセミテ国立公園・ワシントンコラム・アストロマン オンサイト(ワンプッシュ・ワンデイでのチームオンサイト) 2006年9月


カナダ・高緯度北極圏エルズミア島クライガー山脈第3ピーク初登頂(2004年7月)、第2登頂(2008年7月)


ボルダリングの(おそらく)世界最北記録(北緯80度52分) 2004年7月


 

研究にまつわる写真

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