知床ツアー2010に参加したメンバーからのコメント。
続いては、おそらくメンバー最年少の大崩くんです。
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本格的な調査は今回が初めてという私にとって、この知床調査はかなり過酷でした。
サークル(京都大学野生生物研究会)活動で
フィールドにはある程度慣れているつもりでしたが、
そこはやはり、知床!森先生!そして雨!
己の無力さを痛感しました。
「こ、この藪の中に入っていくのか!?」とか
「歩くの速えぇっ」とか
「休憩少なっ」とか
「雨降ってるけど・・・やっぱ行きますよね、ハイ」とか
最初はいろいろ考えてはいたものの、私も男なので、
女性が頑張っている以上負けられません。
そしてそのうち考えるのもしんどくなり、日程中盤からは無心でしたね。
実は私は一点大きな勘違いをしたまま調査に参加していました。
コケ要員は他にもいて、私はそれの手伝いだと思っていたのです。
他の対象分類群はみな複数いるのに、どうやらコケは私一人のようだ
と気付いた時のショックといったら・・・
本当に大丈夫なのだろうかと不安になり、そして今も不安です。
そして、「あぁ調査ってこういうものなんだ」と徐々に適応していった
日程終盤のことです。
この日森先生の隣に座った私は、
「植生調査ってこんなに大変なんですねー」
と話しかけてみると、森先生の口から驚愕の事実が!
「普通のはもっと楽っていうか、こんなに過酷なのはあんまりないよ」
なんとっ!相場を知らない私は、
知らず知らずのうちにこんなハードな調査に巻き込まれていたのか・・・
しかし私は、もちろん恨んだりなどはしていません。
学部2回生の分際で本格的な調査に同行させていただいて、
こんなに幸せなことなないと思います。
そして、この調査に参加できたことは私の誇りです。
なによりも、私の名前を挙げてくれた大園先生と、
私を信用して調査をまかせてくれた森先生には本当に感謝しています。
調査の邪魔になっていなかったか心配ではありますが、
その分結果はきちんと出したいと思います。
研究室などないので、完全に自宅に引きこもる事になりそうですが、
顕微鏡とピンセットとカミソリを駆使して、
コケの声が聞こえるまで、彼らを見つめ続けるつもりです。
私の大学二回目の夏休みは、知床のコケに捧げます!
大崩貴之
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