プロジェクトの歩み

知床生物多様性評価プロジェクトのこれまでの歩みをご紹介します。   

知床に関する情報収集を開始
2008年4月、私たちは知床での研究に取り組むことを決意しました。
これまでにも多くのグループが知床で調査・研究を行っていることが分かっていたので、まずは、これまで知床でどのような調査・研究が行われてきたのかを知るところから始めました。
複数の大学や団体が、それぞれの研究対象を設定し、知床内の様々な場所で、調査・研究を行ってきたということが分かりました。

また、行政機関による委託事業として、モニタリング調査なども複数行われていますが、多くのデータは公開されていません。

スウェーデンとのつながりができた! 
知床の研究を始めようとしていた頃、ある論文に出会いました。
それは、スウェーデン農科大学のDr. Lena Gustafssonによる研究論文でした。
研究のコンセプトと調査方法に興味を持った私たちは、Lenaとコンタクトをとり、話を聞かせてもらいました。
これが、スウェーデン農科大学の研究者たちと私たちとの出会いです。 

関連機関との調整も大切
知床の森林は、世界自然遺産であり、国立公園であり、国有林でもあります。
そのため、環境省と林野庁の双方に、入林許可申請を行ってからの調査になります。 
慣れないフォーマットの書類と格闘しなければなりませんが、これも調査前の大切な準備です。

現地調査直前には・・・ 
知床は、ヒグマが非常に高密度で生息している地域です。
そのため、知床での調査前には、入念な準備が必要です。 
緊急時対応マニュアルを作成し、メンバー内で、野外調査の危機管理に対する意識を高めました。 
知床財団の方から、クマレクチャーを受け、ヒグマと出会ったときの対応などを学びました。 

いざ、森へ 
2010年の調査では、植生班、土壌動物班、菌類班に分かれて、作業を行いました。
(詳しいご報告は、もうしばらくお待ちください。)

山を降りても、まだ仕事
日没とともに、山を降りても、夜は宿舎での作業が待っています。
例えば... 
未同定植物の同定作業:フィールドで判別が難しい植物は、葉や枝などを持ち帰り、図鑑などを見ながら同定します。 
土壌動物のトラップ作成:サンプリングに必要な道具は手作りです。 
データ整理:野帳に書いて持ち帰ったデータを記憶が新しいうちに整理をしておきます。 

分析・解析
無事に調査が終わって一息ついたら、各自、持ち帰ったデータやサンプルとの格闘の日々が始まります。 
ということで、現在は、各地にいるメンバーが独自に努力中。
詳しいご報告は、もうしばらくお待ちください。