豪雪地のメタ個体群
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2014年11月26日
思えば2001年頃より細々と北アルプス・立山連峰の弥陀ヶ原で調査をしてきました。の後、2008年ごろに思いついたアイデアだが、諸々あってなかなかに研究が進まずにいました。012年より博士学生として指導することになった銭さんが、引継いでくれ、研究を再開し・・・。
ようやく日の目が出ました。多くの方からの協力を得て、まとまった成果です。みなさん、とくに論文にまとめてくれた銭さん、ありがとうございました。
内容は、弥陀ヶ原湿原と周辺の森林とで、空間的に断続したオオシラビソのメタ個体群の遺伝構造と形態的可塑性の関連性です。世界的にも稀な豪雪環境で、どのようにしてオオシラビソという針葉樹がほぼ独裁的に優占できるのかを説明しました。
Qian S, Saito W, Mimura M, Kaneko S, Isagi Y, Mizumachi E, Mori AS. (2014) Asymmetric gene flow and the distribution of genetic diversity in morphologically distinct Abies mariesii populations in contrasting eco-habitats. Plant Ecology 215: 1385-1397.
銭さんと行った弥陀ヶ原(奥に雲海が見える)
富山湾に沈む夕陽を望むと、ひたすら雲海が広がり・・・
この日、われわれはまさに雲海の最上部、雲と空の境界にいました。