保護から管理へ

最近、新聞社や番組製作会社などのメディアの方からの問い合わせ、ヒアリングなどが相次いでいます。

その中で、毎日新聞社の方より、鳥獣保護法の改正に関する意見を求められました。2014年6月12日付けの「記者の目」というところで紹介されたようです。

今回の法改正により、シカなどの捕獲による個体数管理を積極的に行うことができるようです。そこで、私の主張として、「捕獲する数には、科学的な分析を反映させなければならない。行政は組織内に、現場に出向くことのできる科学者を確保するのが理想だ」と紹介されています。
これも私の主たる意見のひとつではあるのですが、より強調したかったのは、以下の点です。
○ 鳥獣管理が積極的に行えることは、生態系管理の柔軟性を高める点で前進と言えるかもしれない。
○ しかしながら、あくまで個体数調整などは、シカなどが増えすぎたことに伴う問題対処のためのいわば”バンドエイド”を張るような対処療法に過ぎない(比喩の訂正:現地で対処されている方々の苦労を思うと、とてもバンドエイドを張るような簡単な作業ではないと反省しました)。ゆえに、土地利用のあり方など、鳥獣が増えすぎてしまったことの根本原因を正す必要がある。
○ 対処療法にばかり目が行き、根本治療から目を背けるような結果になってはいけない。
以前にNatureに出したコメント記事でもそうでしたが、間違ってはいないが、もっとも強調したい点が強調されなかったりします。なかなかメディアの方に、説明するのは難しいと感じています。
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