ウインドリバー調査
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2009年6月15日
ワシントン大学のウインドリバー試験林にて行った研究の論文の2報目(doi:10.1093/treephys/tpp040)が出版されました。
今回の論文は、私は共著で参加させてもらったもので、アマビリスモミ(Pacific silver fir, Abies amabilis)とベイツガ(Mountain hemlock, Tsuga heterophylla)の形態的および生理的特性のfunctional convergenceに関するものです。この2種は耐陰性が強く、同様な低光環境に生育しますが、分枝パターンや樹冠形がかなり違います。それにも関わらず、受光面積あたりの光合成産物の収量や葉のディスプレイなどといった特性が、最終的に似通った値を示す、つまり収斂する(converge)といったことが示されました。
ちなみに、1つ目の論文(doi:10.1093/treephys/28.5.815)は、ワシントン大学CFRのDr. Douglas G Sprugelと行った研究で、アマビリスモミ稚樹の積雪と被陰に対する形態的な可塑性に関するものです。
↓下層の様子
ウインドリバー試験林は、ダグラスファーを主体とする500年生の老齢林で、世界で2番目のキャノピークレーンがあります。ここでは主に稚樹に関する調査を行っていましたが、樹高70mを超えるダグラスファーに登って調査をしたりもしていました。樹高70mから老齢林を見下ろすと、いつもとはかなり様相のことなる森林が見えます。その景色は素晴らしく、また訪れたいところです。
↓林冠から森林を見下ろした様子(下に見えているモミやツガも樹高50mを超える老齢木です)