北極調査の話
北海道から戻った翌日,本学GCOEのオープンカフェという集まりで,昨夏のカナダ・エルズミア島調査のプレゼンを行いました。
昨夏は例年になくエルズミアは暑かったです。雪解けも早く,水浸しの場所が多く,おかげでTwin Otterが着陸できずに,何度もタッチ&ゴーを繰り返す羽目になり・・・,その後も連日強い日差しに悩まされました。そして,ようやく帰れる最終日になり,今回初めての悪天候で雪まで降り,おかげで迎えが来ず,一日半今までとは対照的に寒い中ひたすら待ち続けました。
↓天気の悪い時
そして,ようやくレゾリュートに帰り着くも,その後の帰りのフライトはキャンセルし,経路まで変更する羽目に。西へと向うも,深夜1時半のフライトでエドモントンからトロント,1時間の滞在でオタワへ,そしてまたもや1時間の滞在でトロントへ戻り,そこから1時間の乗り換え時間で成田へというフライトプランに・・・。3日間ひたすら飛行機に乗り続け,寒暖差とタイムゾーンの変更の繰り返しで,帰国後1週間寝込みました。
こんな調査でしたが,4年ぶりのエルズミア島は相変わらず美しく,また調査メンバーにも恵まれ,良い時間を過ごせたと思っています。13回のフライトはつらかったですが・・・。
ちなみに,調査地のクリーガー山脈第2氷河は,4年前に比べて相当に縮小していました。平均して7.5m/年くらい後退しているようで,200-300年前の小氷期に形成さた最新期モレーンまでの距離が100m程しかないことを考えると,この数年の後退速度は相当に速まっているようです。
今回は,撤退日に雪が降りましたが,調査期間中には一度も天気は崩れなかったので,思っていたデータとサンプルがすべて取れました。一部は極地研の極域生物シンポで発表しましたが,そのほかにもデータがあるので,早いうちにまとめたいと思っています。