森林再生地における多様性と機能性

知床での野外研究の新しい成果が、Journal of Applied Ecologyで掲載されました。

Fujii S, Mori AS, Koide D, Makoto K, Osono T, Isbell F (2016) Disentangling relationships between plant diversity and decomposition processes under forest restoration. Journal of Applied Ecology : in press.
2013年に開始した「しれとこ100平方メートル運動地」における野外研究の成果の2報目です。
当地では、森林再生を目的として、過去数十年間に植林をはじめとする様々な森林再生の試みがなされてきました。今回の成果では、森林再生を目的とした多種の植林が、樹木種数だけでなく、草本植物の機能的多様性や土壌真菌類の多様性を向上させ、結果として土壌代謝プロセスを変え得ることが示唆されました。
現実の生態系復元の場における生物多様性の回復が、生態系の機能性をも回復させ得る可能性を示しました。
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森林更新の遅れているササ地にて


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このプロジェクトでは、多くの共同研究者やラボのメンバー、現地の方々に多大な協力を得ています。まだまだ共同研究としての成果は一部しか残せておらず、今後も地道に成果を公表していきたいと思います。
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