ロッキーの山火事論文2

新たなロッキーの山火事論文が出版されました。アメリカ生態学会の新しいジャーナルであるEcosphereからです。

1980年代以降、北米西部地域では、特に高標高を中心に、山火事の規模と頻度が増加していると言われています。一部には、全休的な温暖化(人為的なCO2排出量増加を主要因とする人為的な温暖化)が、原因だと言われています。

私の今回の論文では、北米の気候条件や山火事レジームに強い影響を与える太平洋のテレコネクション(特に、太平洋十年規模振動;PDO)が、山火事を起こしやすいフェーズになっていたことが原因であり、気温上昇が直接原因ではないということを主張しています。PDOが、1976/77にレジームシフトを起こしたことはよく知られています。今回の結果は、そのシフトに伴う山火事レジームの変化を示しています。

気候変動と自然撹乱の関わりは、どこまでが生態学の領域で、どこからが気候学の領域なのかはとても不鮮明です。複数の学際領域にまたがる研究は刺激的である一方で、とても労力がかかります。しかし、とても面白くやりがいのあるトピックだと思っています。

 

 

 

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